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不妊治療はどのような流れで行われるのか?

・不妊治療は増えている?
避妊をせずに健康な男女が性生活を継続しているのに、一定期間を経過しても妊娠しない場合を不妊症と言います。
この一定期間は、以前は2年が一般的と言われていましたが、晩婚化などの社会的背景から日本産科婦人科学会では1年と定めているのです。
ただ女性が妊娠できる年齢は限られているため、この期間は年齢によって異なりますし諸説あるので、可能な限り早く検査と治療を始めた方が良いと考えられます。
こうした晩婚化や意識の変化により不妊治療を受ける人は増加傾向にありますし、その年齢も年々少しずつ上昇しているのです。
また不妊治療が普及して検査や治療に対するハードルが低くなったことも、不妊治療を受ける人が増えていることに影響していると考えられます。

・不妊治療の流れ
夫婦の年齢や諸条件で不妊治療のタイミングは異なるので、不妊スクリーニング検査などを実施して、不妊の原因を調べた上で治療の方法や流れを立てます。
基本的には、原因に応じて負担の少ない方法から不妊治療の流れを考えるのです。
また年齢が比較的若い方については、妊娠までの目安を一応1年と定めて6ヶ月ごとに治療方針を見直して治療方法をレベルアップする病院もあります。

一般的な不妊治療の流れとしては、まず医師の指示のもと排卵日の2日前から排卵日までに性交タイミングを合わせるタイミング法が実施されるのです。
ただ6回以上で妊娠しなければその後の妊娠率が停滞するため、6回をひとつの目安として次のステップとして人工授精への流れを検討します。
人工授精とは、採取した精液中から運動良好精子を取り出し濃縮して、妊娠しやすいタイミングに合わせて子宮内に直接注入する方法です。
人工授精による妊娠確率は1回あたり約10%程度と言われていて、妊娠成立のプロセスは自然妊娠と同じになります。

タイミング法や人工授精でも妊娠が成立しない時には、第2段階として高度生殖医療へと治療は流れることになるのです。
高度生殖医療としては体外受精と顕微授精があって、どちらも卵巣から卵子を採取して、体外で精子と受精させて数日後に受精卵を子宮に戻す方法となります。
体外受精の受精方法は、同じ培養液の中で卵子と精子を培養して受精させて、それにより得られた受精卵を子宮に戻すのです。
一方顕微授精は、動きがよく形の正常な精子を1個卵子の中に細い針で注入するもので、卵細胞質内精子注入法が一般的に行われています。
受精障害・重症精子減少症・重症精子無力症など、体外受精では受精が起こらない可能性が高いケースで実施されるのです。